高校時代の日記よりー1972(昭和47)年3月9日(高校2年末)今日倫社の時、先生が次のようなことを言った。「戦前、天皇は神様的存在だった。天皇がいなければ日本の国はありえなかった。しかし、それはまちがっている。米を作ったのは農民であり、国を富ませたのは労働者たちである。」小生もこれを聞いて同調せざるをえなかった。しかし、本当に戦前の国家体制というものはまちがっていたのか。もしまちがっているとすると、日本という国全体が間違った邪悪な道を歩んでいたことになる。とすると当時の教育を受けた者たちは少なくとも当時はゆがんだ考えを抱いていたことになるのだろうか。先生はこうも言った。「横井さんは帰国して、戦争に負けて天皇陛下に申し訳ない、陛下に対して恥ずかしいといった。何が申し訳ないだ。謝るのはむしろ天皇の方だ。横井さんの青春を28年間奪ってしまったのは誰あろう、天皇そのものだ。戦争を引き起こしたのは天皇ではないか」と。これももっともな考えであると思った。これをきいて小生は本当に天皇陛下というものがわからなくなってきた。戦後の混乱を収拾したことに大きく貢献したのは天皇陛下だったと小生はある程度尊敬しているのだが、今はどう考えてよいか。 |